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勝率9割のトレードテクニック




20世紀前半に活躍した伝説のトレーダーであるギャンは、生涯トレード通算勝率が9割を超えていました。
ここでは、ギャンのテクニカル的な相場予測手法だけでなく、トレードテクニックにも焦点を当てて紹介したいと思います。

相場は人間による売買を通して決まり人間には一定の習性があるため、相場を作る人の習性や方法が相場に明確に表れるとギャンは考えました。願望や恐怖といった群集心理が時には相場を合理的な価格を超えて急騰、急落させる原因と考え、トレードで成功するには人間の本質の弱点を理解し、群集心理を形成している一般大衆とは逆の取引をすれば利益をあげることができると説いています。では、一般大衆の取引の特徴はどのような点でしょうか。

一般大衆は、明確な売買ルールもなく期待や不安に基づいて売買を行う傾向があります。また、損が出ると即座に相場から手を引くのではなく相場にしがみついてその好転を願いそして利益が出た時には確実なトレンドの変化を待つこともなく、さしたる理由もなしにすぐに手仕舞ってしまいます。

これらの逆のことを行うのですから、まず明確な取引ルールを決めることが大事だといえます。テクニカル分析、ファンダメンタル分析などに基づき明確なトレーディングルールを確立すること、そして、一貫して自分で決めたトレーディングルールに従い売買を行う決意が必要です。また、損が出ると即座に相場から手を引き、利益が出た時には確実なトレンドの変化がでるまでは粘るべきです。「損切りは素早く利食いはゆっくり」は相場の黄金律と言えます。

ギャンはまた、成功の王道は単純に弱気相場では弱気になり、強気相場では強気になることであると説いています。この弱気相場では弱気になり強気相場では強気になるとは、「トレンドを判断しトレンドに従うこと」と言い換えることができます。

トレンドには、数ヶ月以上に渡るメジャートレンドと、数日、数週間しか続かないマイナートレンドがあるので、マイナートレンドに惑わされずに、メジャートレンドを基準に売買することが重要です。弱気相場で長期的にトレンドが下向きのときは、買いに出るより反騰を待って空売りする方が、常に安全であり、強気相場では天井での売りを試みるより、押し目を待って買う方がよいと言えます。

下図、ドル円の週足チャートをみてください。

週足チャート

ドル円は2002年2月7日に135円のドル天井を付けた後下落基調が続いています。メジャートレンドに変化がない限り、反騰を待ってドル売りをするほうが、安全であったといえます。2002年7月から10月までと2004年4月から5月までに、一時的なマイナートレンドである修正高が起きていますが、ここでも、買いに出るより反騰後に売りを仕掛けるべきだったといえます。

すべての値動きを追いかけて利益を取ろうとすると、相場の大局的な流れを見失い、結果的にはトレンドに逆らった取引から損失を出すケースが多いのではないでしょうか。相場はトレンドが存在する場合だけでなく、横這いの動きもします。数週間から数ヶ月も小幅な値動きをして以前の高値や安値から高くも安くもならない時期も相場ではあります。このような時期は何度もトレーダーを騙し、損をさせます。

相場が上昇するとトレーダーはさらに上昇するものと考えますが、実際は動きが止まり反落始め以前の安値近辺まで下げます。そこでトレーダーは下落すると思い今後は売りを仕掛けますが、それ以上下げることもなく逆に再び上昇し始めます。このような横這いの時期は、相場が上か下に向かってもち合いから放れるまで何もしないことが大切です。

相場がエネルギーを蓄えているもち合いから抜け出して、明確なメイントレンド形成しているのを確認してから取引をするようギャンは勧めています。 このもち合いから放れたかどうかを判断する1つのテクニカルな方法として、ギャンは過去最高値、過去最安値を活用しています。

ギャンは過去最高値、過去最安値と将来の戻り高値、反落時の安値の間に計算できる数学的な関係があると考えていました。下図はユーロドルの日足チャートですが、過去最安値の150%水準である1.2330が長い間上値抵抗線として機能しているのが確認できます。この強い抵抗線を抜けたことで、もち合いから放れて、上昇トレンドが開始したと判断できます。

日足チャート

使用するチャートの種類について、ギャンは週足の高値安値チャートを勧めています。
月足チャートや年足チャートも一緒に使用すればメイントレンドを読むのに役に立つと考えています。日足チャートは最も騙しの動きを表すため勧めません。

日足チャートは小さな動きをも示し、あたかもトレンドに変化があった様に見える場合がありますが、こうした動きはたいていメイントレンドを決定したりしません。ただ、強気相場、弱気相場の最終局面で相場が非常に活発で広いレンジで上下している時に限り、支持水準、抵抗水準を判断するのに日足チャートは有効に機能しますので、このような時は日足チャートを使用してください。



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