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エリオット波動とは、ラルフ・ネルソン・エリオットが1938年に発表した相場の値動きに関する波動理論です。マーケットが1つの基本的リズム5つの上昇波と3つの下降波で8つの波となり1つの周期を形成し、この8つの波で反復を繰り返すという理論です。
価格の上昇局面5波動は3つの推進波(波1、波3、波5)と2つの修正波(波2、波4)で形成され、下降3波動は2つの下降推進波(波a、波c)とその修正波(波b)で形成されます。波動形成を時系列で表現すると、連続した5つの波動(上昇5波動)は上昇(波1)→下落(波2)→上昇(波3)→下落(波4)→上昇(波5)となり、上昇5波動が完了すると次に3波動の反動が起こります。
下落(波a)→上昇(波b)→下落(波c)
この下落の3つの波は、先行する上昇の5つの波の修正として考えます。
この8つの波動で相場は完結します。
ただ、現実の値動きは典型的な波動モデルに当てはまらないことも多く、エクステンション(拡張)やフェイラー(故障)などのケースも考慮する必要があります。エクステンション(拡張)とは、上昇局面5波動3つの推進波の内1つが、さらに5つの小さな波に分かれて引き伸ばされた動きをすることを言います。
また、フェイラー(故障)とは上昇局面5波動の動きにおいて、第5推進波が第3推進波の終わり以上に進まない現象のことを言います。
このエリオット波動理論はまたフィボナッチ級数を数学的基礎としていると言われています。
フィボナッチ級数とは、13世紀の数学者ピサのレオナルド・フィボナッチによって発見され、それは1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144・・・・・・・・・・という数列であり、次のような特徴があります。
1.数列の隣接した2つの数字の合計はその数列の次の大きな数字となります。
(1+1=2、1+2=3、2+3=5、3+5=8、5+8=13・・・・・・・)
2.どの数もその上位の数に対して0.618倍の割合となります。
0.618の比率のことを黄金分割と呼ばれ、エジプトのピラミッドや星雲のうずまきなどの自然界にもこの比率に従っているものが数多くあります。またエリオット自身も自然現象における黄金比率を反映する数多くの実例を紹介しています。
黄金分割
一般的にエリオット波動とフィボナッチ比率の関係について次のようなことが言われています。
5つの上昇波と3つの下降波の動きは、0.618の黄金比率の関係にあり、上昇局面での上昇5波動が完成した時、次に続いて起きる3つの波の修正は、時間と振幅の点で前の上昇5波動の0.618倍になると考えられます
この関係を利用して実際のトレードへ応用してみると。 下図のAUD/USDの月足チャートをみてください。
エリオット波動のうち上昇局面での上昇5波動のフォーメンションを確認したら次に3つの下降波が起こると考えます。そこで、修正波bの上値で「売り」ます。
3つの下降波の値幅は、上昇5波動の0.618倍と考えられますから、上昇5波動のトップから0.618倍の地点で「買い」ポイントとします。
尚、この他エリオット波動では、0.618の黄金比率を使ったタイムターゲットから実際のトレードへ生かす方法もあります。