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移動平均 (moving average)

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 移動平均はトレンドフォロー型のテクニカル手法ですが、多くの方に幅広く活用されているテクニカル手法の1つと思われます。

 売買システムの構築が容易であることから、プロのトレーダーの方も利用していると考えられます。ただ、売買シグナルを出すシステムとしては、単純に移動平均だけではなく、他のテクニカル指標を組み合わせたシステムが多いのではないでしょうか。

 移動平均線とは、一定期間の値段(通常は終値)を平均することによって日々の価格のブレを取り除き、滑らかな曲線にすることで相場のトレンドを明確にしようとするものです。アメリカの著名テクニカルアナリスト・グランビルによって普及しました。

 移動平均線には大きく分けて単純移動平均線、加重移動平均線,指数平滑移動平均線の3種類ありますが、一般的に用いられる移動平均線は単純移動平均線です。

 単純移動平均の計算は、5日移動平均であれば直近5日間の終値を合計し、5で割ります。20日移動平均であれば同じく直近20日間の終値を合計し、20で割ります。平均の計算対象となる一連の数値は取引日ごとに1日ずつ前に進みます。つまり5日移動平均であれば翌日の移動平均値は、新たな終値を追加し6日前の終値をはずすこととなります。そこで得られた新しい合計を5で割ることになります。

移動平均線は、平均する日数に応じて短期線、中期線、長期線に分類されます。 短期線はトレンドの転換にすぐに反応するものの、わずかな値段の上下に反応するためダマシ(上昇トレンドでもないのに上昇シグナルを出してしまうといったこと)が多い傾向があります。逆に長期線はトレンドの転換への反応は遅いものの、わずかな値段の上下には反応しないためダマシは少ない傾向があります。中期線は短期線と長期線の中間の性質をもっています。短期線、中期線、長期線はそれぞれ日数が決められているわけではなく、あくまで相対的なものです。

移動平均線を用いた売買タイミングを判断する方法を紹介します。

 1つは、終値と移動平均の関係を利用する方法です。終値が単純移動平均線を上回ると買いシグナルとみなし、終値が移動平均線を下回ると売りシグナルとみる手法です。ただ、これだと明確なトレンドが出ていないもみ合いでも頻繁に誤ったシグナルを出す可能性があります。

 そこで、このようなだましを減らすため、移動平均線の上下にバンドをつくり、このバンドを抜けたとき初めて売買サインを出す手法がよく用いられています。
 バンドを作成するには移動平均線の上下に一定割合離して移動平均線を引きます。そして移動平均線をブレークした場合は、ポジションのクローズサインとみなします。上限のバンドを抜けて買い、移動平均線を下回るとポジションをクローズ(損切り)し、移動平均線と上下のバンド間では、なにもせずシグナル待ちとなります。そして下限のバンドを下回ると売りのサインとなります。

移動平均線

 もう1つの方法は、移動平均線のクロスオーバーを利用する手法です。この手法は、短期の移動平均が長期の移動平均を下から上に抜けたら買い、逆に短期の移動平均が長期の移動平均を上から下抜けたら売るというものです。一般的に「ゴールデンクロス」「デッドクロス」と呼ばれて、ひろく普及しています。

デッドクロス・ゴールデンクロス
移動平均線チャート

 移動平均を利用するにあたり重要なのは、計算期間の選択、何日の移動平均を使うのかということですが、マーケットトレンドを捉えた期間設定が必要でしょう。過去の価格データを用いてシミュレーション上で最適な期間を選択するのも1つの手段でしょうか。
あと、チョッピー(明確なトレンドがなく激しく上下に変動する相場付き)な相場やトレンドのない相場では、移動平均は機能しないことも注意が必要です。

尚、加重移動平均線(weighted moving average)とは直近の値段にウエ-トを置いた移動平均です。
例えば、5日移動平均では、直近の価格である5日目の価格を5倍、4日目を4倍、3日目を3倍、2日目2倍、1日目を1倍とし、その合計を倍数の計(15=5+4+3+2+1)で割ります。
また、指数平滑移動平均線(exponential smoothed moving average)とは、累積加重平均のことで、一定期間内の平均値ではなく、保有データの数値をすべて計算期間としている加重平均です。計算式は以下の通りです。
例えば、n日指数平滑平均を算出する式は下記の通りです。

初日 指数平滑平均(初日)= 終値(初日)
初日以降

= 指数平滑平均(前日)+ 2/n+1 × { 終値(当日)- 指数平滑平均(前日)}
上記の式にある2/n+1の部分は、平滑化定数と呼ばれます。平滑化定数は、0≦平滑化定数≦1であり、一般に、期間n日間の平滑化定数は、2/n+1が用いられます


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