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トレンドラインの引き方




 相場において利益を上げるためには、トレンドを発見し、そのトレンドに乗って取引することが重要だと考えられています。このトレンドとは、一般的にマーケットの動く方向を意味しますが、連続的な山と谷を形成しながら生まれると言われます。なぜなら、マーケットは上昇下落する場合、一方的に動くものではないからです。上昇局面でも、上昇と小反落を繰り返しながら、値を上げてきますし、下落局面でも、下落、小反発を繰り返しながら、値を下げます。

トレンド形成を例えばドル円で考えてみましょう。

 初めはドル強気トレンドに乗り89円から94円まで静かにドルが値上がりしたとします。その後ドル買いの材料が次第に多くなり、大衆投資家は興味を持ち始めて買い進め99円へ上昇します。しかし99円には大量のドル売りが控えているため、その結果中期的な調整が起こり95円まで下落します。ただ、95円では売りを食い止めるだけのドル買い需要があり、再び上昇し以前の高値である99円を突破し100円へ。

 利益確定の売りなどから99円まで反落するも、99円では大衆投資家などの押し目買い需要が強く再度上昇を開始します。何週間、何ヶ月過ぎてもドルは上がり続けます。押し目もきわめて小さい。押し目を待っていた人はがっかりして、どんな値段でも成り行きで買い込み、ドルに対して楽観一色になります。値動きは極端に大きくなりながら相場は熱を帯び、押し目も作らず110円の大台まで上昇します(大天井形成)。

その後下げるニュースもない中、静かに下降します。この下げの原因は供給(ドル売り)が需要(ドル買い)を上回る場面に相場が達したからかもしれません。皆が目いっぱい買ってしまい、相場を支えるだけの大きな買い注文がないため、相場が下げ始めました。買い腰の弱い向きの最初の投げが出て105円へ下落。その後小反発するも売り圧力から下落基調が続き、100円を超えて下げが激しくなると、手仕舞い売りが増え95円へ急落します。

そうなるとドル売り材料のニュースが頻繁に流れ市場全体に弱気が支配し、ドル買いが止まります。ドルに対し極度の悲観的な見方が増え、高値では楽観的であった人でさえ自信を失い、さらに下落する前に皆が売り急ぎ、105円付近まで急落し、大底をつけます。

この例のように上昇トレンドでも、上昇と小反落を繰り返しながら値を上げますし、下落トレンドでも、下落、小反発を繰り返しながら値を下げます。また、89円と95円、99円を結ぶと上昇局面のトレンドライン=支持線(サポートライン)が引け、その値段が絶好の買いポイントになっています。

上昇トレンドを支えている線を一般的に支持線(サポートライン)といい、下落トレンドのときに相場の上値を抑えている線を抵抗線(レジスタンスライン)と言います。支持線とはある期間内に価格の下落を防ぐのに十分な買い、潜在的な買いが存在する水準のことを意味しています。支持線とは、少なくとも一時的に下落を止め反転させるような需要が存在する価格水準であり、ここから再上昇の始点となります。また、抵抗線とはある期間内に価格の上昇を防ぐのに十分な売り、潜在的な売りが存在する水準のことを意味しています。抵抗線とは、少なくとも一時的に上昇を止め反転させるような多くの供給が控えている水準であり、ここから再下降の始点となります。

支持線(サポートライン)の引き方は、上昇相場の局面でその相場の安値を右上がりに結んでいくと支持線(サポートライン)引けます。また、抵抗線(レジスタンスライン)は下落相場の局面で最高値を右下がりに結ぶことで抵抗線(レジスタンスライン)が引けます。

支持線から抵抗線への変換

 トレンドラインはそれがブレーク(突破)されない限り買いポイント、売りポイントを決定するために用います。つまり上昇トレンドが継続している場合は支持線(サポートライン)まで下がったところで買いポイントとし、下落トレンドが継続している場合は抵抗線(レジスタンス)まで上がったところで売りポイントとします。しかしトレンドラインがブレーク(突破)されるとトレンドの転換を示唆していると考え、それまでのトレンドに沿ったポジションは手仕舞うことになります。そして、トレンドラインがいったんブレーク(突破)されると、そのサポートとレジスタンスの役割が逆転します。つまり支持線(サポートライン)は一度ブレーク(突破)されると抵抗線(レジスタンスライン)に変わり、逆に抵抗線(レジスタンスライン)がブレーク(突破)されるとそれは支持線(サポートライン)になります。

次に、20世紀前半に活躍した著名な相場師ギャンが使用していたユニークなトレンドラインの引き方についてです。

まず、重要な高値または安値から45度の角度でトレンドラインを引きます。 45度のラインは価格と時間との完全な均衡を維持しながら上昇、下落するラインとギャンは考えます。
次に67.5度と22.5度のラインを引きます。67.5度のトレンドラインは傾斜が強すぎるラインであり、価格の上昇下落スピードが急激な場合に参考となるトレンドラインです。22.5度のトレンドラインはなだらかなラインであり、価格の上昇下落スピードが緩やかな場合に参考となるトレンドラインです。

このようなトレンドラインを引く際の重要なポイントはラインの起点となる高値、安値の選択と考えられますので、メイントレンドの始点と思われるポイントをラインの起点としましょう。

下記のチャートにて、このトレンドラインに沿ってきれいにサポート、レジスタンスされていることを確認してください。

ギャンアングルチャート


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